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体験談の意味

手術予定で新しく入院してきたT氏は、東京で開業医をしていました。
T氏の息子が「個室をお願いしたいのですが」と言うと、婦長は彼にこんな話をしました。

「私たち(医師や看護婦)は、手術とはこんなものですよ、と患者さんに丁寧に説明しますが、それでも手術を受ける方の不安は計り知れないものがあります。手術前は大部屋に入って、同じように手術を受けて元気になられた方たちとお話することによって、「ああ、そういうものか」とイメージや心がまえが沸いてくるものです。私たちには聞けないような細かなところまで、患者さん同士で話し合われたりすることが、安心感につながるものなのです」と。

私も婦長の言葉に同感です。
経験したことのある者だからこそ、「実をもって話せるもの」があるはずです。
同じ体験をした人の話を聞くことで不安がとれることもあります。自分だけではないという孤独や不安感から抜け出せることもあります。また、手術や検査の事故の怖さを考えると、知らなかった、こんなはずではなかった、では済まされないこともあるでしょう。このように、同じ体験をした人の話を聞くことは多くのものを得られることだと思うのです。

多くの方々の「ナマの声」をお待ちしています。そして、これから手術・検査を受けられる方々の理解・心がまえとなることを望みます。また、医療従事者の方々の専門的なアドバイスをいただければ幸いです。

いただいたメールより

なるほど婦長さんはいいことをおっしゃると思いました。確かに個室は気楽な面は多いことは確かです。特にTVはそうです。小さなイヤホンで聞く必要もありません。見舞いの人もそうです。

しかし同じ部屋の患者さんとの会話に勇気付けられた人はとても多いはずです。ある種戦友とさえ呼べると思います。自分自身今でもそう考えています。

自分はホジキン病という病気でした。3週間の入院のあと1泊2日で治療を4回。あと放射線治療15回をしましたが1泊2日の入院に個室に入ると寂しかったものです。
同室の患者さんとは色んな話をしました。抗がん剤治療の副作用、特に食事について食べたくなくなるんだ。という話。検査の話、これから病気とどう向き合っていくかという話、はてはドクターの評判。これは辛らつなものもあります。場合によっては医師失格の話。週末は外泊ができそうかが話題でした。他の患者さんが自宅へ外泊を許されると少し寂しく感じましたが、来週は自分がと思い前向きに治療に専念したものです。

病気を治すには生きようと思う意志が絶対に必要です。皆がんばっているだ、自分だってと負けないと力をどれほど与えてくれたでしょう。自分は今度の入院でどれほど人に力をもらって生きているか実感しました。6.8歳の子供まで風邪を自分にうつしてはいけないと思っていたふしがあります。

治療がすべて終了した時点で自分は、先生,看護士さん、に挨拶をしにいきましたが、そのとき入院していた同室の人達にもお礼を言いました。またすでに退院された人にもその後お会いしたときにお礼をいい、お互いがんばりましょうと別れました。今自分がこうしていられるのは同室の人達の力も非常に大きいと断言できます。

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