| 慢性腎炎とは |
急性腎炎が移行して慢性腎炎になるのは、腎炎全体のごくわずかで、ほとんどの慢性腎炎が、その原因についてはっきり分かっていないのです。症状、病型もさまざまです。
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| 潜伏型:腎機能に問題がなければ定期検査だけで |
| 体を動かすと尿蛋白が増えるようであれば安静が必要ですが、クレアチニン・クリアランスエストなどで調べて、腎機能に問題がなく、運動負荷をかけても少量の蛋白尿が出ているだけであれば、特に治療はせず、定期的に検査を受けるだけでいいでしょう。 |
| 血尿型:IgA腎症は腎不全に陥る可能性がある要注意 |
血尿型は、IgA腎症という日本人によく見られる腎臓病のひとつです。IgAという特殊な免疫グロブリンが、糸球体のメサンギウムという部位に沈着して、メサンギウムが増えるだけでなく、皮膚をはじめとする全身に沈着します。
以前は、IgA腎症は予後のよいものと考えられてきましたが、現在ではかなりの人が腎不全に陥っていることがわかってきた病気ですので、この型は要注意です。 |
| ネフローゼ型:たくさんの蛋白が失われてむくみを生じる |
この型では微小変化群といって、腎生検しても顕微鏡的にはほとんど異常のない予後のよいものから、腎不全に陥るような他の病型まで、いろいろなものを含んでいます。
尿蛋白はもっとも多く、一日3.5g以上も失われてしまいます。したがって低蛋白血症(血液中の蛋白であるアルブミンが少なくなる)を起こし、そのためにひどいむくみを生じます。
また、高脂血症といって、コレステロールが高くなるのも特徴です。
治療は、安静と低蛋白、減塩食です。尿中に蛋白が多量にもれ出てしまうため、昔は高蛋白食にするようにしていましたが、蛋白をたくさんとると腎臓に負担がかかることが分かってきたため、現在の治療では蛋白は控えるように指導しています。
微小変化型であることがはっきりすれば、プレドニンという副腎皮質ホルモンを使用します。プレドニンは初め大量に用い、尿蛋白が減ってくれば徐々に減量します。この薬は勝手に飲みやめたりすると危険ですので、かならず医師の指示にしたがって服用してください。このプレドニンを使うと、体が細菌に対して弱くなり、感染を生じやすくしたり、胃潰瘍や糖尿病の合併症を起こすことがあるので、注意が必要です。 |
| 巣状糸球体硬化症:腎不全のおそれがあるが、決めてとなる治療法はまだない |
顕微鏡で見ると、ところどころの糸球体に、しかも糸球体のごく一部にしか硬化が見られないので、見過ごされることもあります。腎生検をして微小変化型と一度は診断されても、採った組織にたまたま病変がなかっただけということもあり、このように一部分のみが硬化している場合は判断がむずかしいこともあります。プレドニン抵抗性や再発を繰り返す微小変化型で何度か腎生検をするうちに見つかることもあります。
この型であれば、病気は進行していて、腎不全に陥る場合もあると覚悟しなければなりません。
いろいろ検討されていますが、決めてとなる治療法はまだ確立されていません。 |
| 膜性腎症/膜性増殖性腎炎:ゆっくりと進行してホルモンの効果も少ない |
膜性腎症では、糸球体基底膜というところがびまん状に厚くなり、スパイクという突起がたくさんできます。
30歳を過ぎてネフローゼ症候群を生じたときは、この型のことが多いようです。
膜性増殖性腎炎では、メサンギウムという部分に沈着物がついて、基底膜が二重に見えます。血尿、蛋白尿がかなり強いという特徴があります。
この二つの型はホルモンがあまり有効でなく、ゆっくりと進行する点でも似ています。 |